No Geography | The Chemical Brothers
> Blending psychedelic sensory overload with riotous club bangers, the shape-shifting electronic duo’s ninth album is their most entertaining in years.
>ケミカル・ブラザーズの2人はニュー・アルバム『No Geography』を制作するにあたって20年前の機材を引っ張り出し、かつて作業していたスタジオを再現。その結果、キャリアと共に磨かれる洗練味を壊していくような、生々しいエディット感と若々しいサウンドを手にすることに。そうした音楽面の変化と沿うように、ゆるふわギャングのNENEによる〈ぶっ壊したい何もかも〉というフックが印象的な冒頭曲、60~70年代の熱っぽいファンクやソウルのネタをサンプリングした“Got To Keep On”、そして先行シングル“Mah”などで解放や破壊を連想させるフレーズを多く用い、音像に勢いを与えている。また、子役のイーサン・ゴパールが参加した“We've Got To Try”をはじめ、ほぼバンドに近い編成で作られたものが目立ち、随所で意欲的な取り組みがなされているのも特徴だ。